目次
あなたの汗は普通?「多汗症」か「汗っかき」かを見極めるセルフチェック
暑さや緊張時に異常なほど汗をかいてしまうことはありませんか?それは単なる「汗っかき」ではなく、「多汗症」という病気の可能性があります。本記事では、多汗症と汗っかきの違いをセルフチェックし、治療法についても詳しく解説します。医療従事者目線での豆知識も交えながら、正しい対処法を知りましょう。
日常生活が送れないほど悩んでいるなら、それは「多汗症」
汗は体温調節のために必要不可欠ですが、過剰に分泌されると日常生活に支障をきたします。多汗症には明確な原因がなく発症する「原発性多汗症」と、病気が原因で起こる「続発性多汗症」があります。特に続発性多汗症の場合は、感染症や神経疾患が背景にある可能性があるため、注意が必要です。
私って多汗症……?セルフチェック
以下のチェックリストで当てはまる項目が2つ以上ある場合、多汗症の可能性があります。
- 特定の部位(手のひら・足の裏・脇など)に異常に汗をかく
- 日常生活で汗が原因で困ることがある(衣服が濡れる、書類が濡れるなど)
- 思春期前後に発症し、症状が6カ月以上続いている
- 左右対称に汗をかく
- 寝ている間は汗が出ない
多汗症は治療できる!保険適応になるケースも
多汗症は皮膚科で治療可能であり、保険適応になる治療法もあります。
処方薬による治療:塗り薬や飲み薬で発汗を抑える
塗り薬(抗コリン薬)は、汗をかきやすい部位に直接塗ることで、汗腺の働きを抑えます。飲み薬(内服薬)は全身の発汗を抑えるため、局所的な多汗だけでなく広範囲の症状にも効果が期待できます。
保険適応:
- 抗コリン薬(外用薬):脇の多汗症に対して保険適応
- 抗コリン薬(内服薬):一部の薬剤に限り保険適応
- 塩化アルミニウム液(外用薬):自由診療のみ
手術・処置による治療:重症ならボトックスや手術も
ボツリヌストキシン(ボトックス)注射は、汗を出す信号をブロックすることで発汗を抑えます。また、イオンフォトレーシスという電流治療法もあります。最終手段として交感神経を切断する手術がありますが、代償性発汗(他の部位からの発汗増加)が起こる可能性が高いため慎重な判断が必要です。
保険適応:
- ボトックス注射:脇の多汗症に関して一部の薬剤が保険適応
- イオンフォトレーシス:保険適応あり
- 交感神経遮断術(手術):保険適応あり
治療の種類もいろいろ。悩んでいるならまずは皮膚科に相談を
多汗症の治療は年々進化しており、手軽に始められるものも増えています。「汗が気になって好きな服が着られない」「人前に出るのが怖い」などの悩みがあるなら、一度皮膚科を受診してみましょう。最近はオンライン診療での相談も可能なクリニックが増えているので、忙しい方でも受診しやすくなっています。
コメント